2015年4月8日水曜日

INDIGO展覧会 - その二

日本では12世紀あたりから、その色合いだけでなく虫除けとしても活用された藍染めは、武士の間で非常に好まれてきました。伝統的な藍染めの技術は、近代化に埋もれることなく現在の数々のアーティストによって活用されているだけでなく、その技術を伝承する人は人間国宝として指定されています。


お隣の中国では、 ミャオ族、プイ族、トン族、シュイ族そしてグオジア人などの少数民族の衣装の中に、数々の刺繍をほどこしたインディゴを目にすることが出来ます。
手仕事とは思えない細かな技術に思わず息を飲んでしまいます。しかし、最近では大量生産の衣服によってこれらの技術は絶滅の危機にさらされているようです。







 アフリカ大陸の中では、西アフリカの方でわずかの染色人がその技術を伝承していっています。彼らは大量の化学繊維の流入に対して、この伝統技術を守り続けるという使命も担っています。マリの政情、インディゴ染色で名を知られているナイジェリアのカノ地方の内戦などは、彼らの生活を不安定な状況に追いつめ伝統的な染色技術を危機にさらしています。マリのドゴン地方ではわずかではありますが、染色技術で生計をまかなっている村がいくつかあります。ギニアのフータ・ジャロン地方では、インディゴで染め上げ、その後布を叩いて光沢を出した腰巻きを未だ作り続けています。