2010年12月15日水曜日

ご来場ありがとうございました

第10回目ポワン・イデが無事終了いたしました。お忙しい中ご足労くださった皆様、本当にありがとうございました。都合がつかずにご来場出来なかった方、どうぞ次回は是非お立ち寄りください。

2010年12月5日日曜日

第10回ポワン・イデ

いよいよ第10回ポワン・イデが近づいてきました。私は12日のみの出展となりますが、ご都合のつく方是非お立ち寄り下さい。

2010年11月15日月曜日

追い込み

ご無沙汰しています。あっという間に時間が経って今年も残すところ一ヶ月半となってしまいました。そして、またいよいよポワン・イデへの製作が始まりました。12月11日、12日に開かれるため既に追い込みです。今回は自分の原点に戻って編み物だけで勝負するつもり。で、去年も好評いただいたミテンヌでいろいろなバリエーションを持たせる予定です。現在ポワン・イデのフライヤー製作中。出来次第お知らせしますのでもうしばらくお待ちを。

2010年9月21日火曜日

Shetland Triangle 本番終了

パリは8月の悪天候をリベンジする如く、毎日快晴続き。影の長くなった初秋に雲一つない紺碧の空はパリの街をさらに美しく演出してくれます。しかし、朝夕はもう冬が近づいていることを確実に知らせるように冷え込んでいます。そんな時に本番編みをしていたShetland Triangleが編み上がりました。そうです、あの訳の分からない編み始めを読解していたあのショールです。ウールやアルパカではないため(キャメルとシルク)防寒性には乏しい恐れがあります。よって、この初秋にはぴったりかもしれません。







実はこのショール、前に練習用で編んだショールとちょっとだけ違います。3目一度のところの目が前回のものは真ん中の編み目が真ん中に位置するように目の位置を針に移し替えてそれから3目一度を編んでいましたが、今回はもっとシンプルにざっくりとそのまま3目を一度編む事に。なので、よーっく見ると3目の一番左の目が一番上に来るようになっています。前回のショールと比較。


今回は左側の針にかかっている3目をそのままざっくりと編みました


前回は3目の真ん中の目が中心になるように目の位置を移動して3目一度を編んでいました。そのため、こちらは筋を入れたような立体的な模様が出来ました。



このショール、編み上がった後はあの面倒くさい「ブロッキング」が待っています。水に浸けて広げてピンを打って一晩おいて...ああ、めんどくさっ。
このショール、最後伏せる時はゆるすぎるぐらいゆるゆるに伏せてください。自信のない人は太い糸にかえるのも手です。私は3号針で編んで6号針に換えて伏せ目をしましたがそれでもゆるみが足りず、一番下のとんがった部分が真っすぐになってしまい何とも貧弱で間抜けな仕上がりになり、仕方なくほどいて今度は13号針(!)に換えてゆるゆるに伏せたらやっと下のようなとんがりを形成することが出来ました。



それでは、これから本格的な冬支度。そして編み物三昧の日々が始まります。

2010年9月12日日曜日

北海道 道東の旅 - さよなら北海道

根室に着いたらさらに涼しいです。東京では30度だというのにここは20度を切っています。
さて、根室に着くと道路の標識などが日本語、英語そしてロシア語で書かれています。また「ここは北海道なんだ」と改めて納得。シリーズの最初で紹介しましたが、道路が広い!歩道が車道ぐらいの広さで歩いている人がいない。というか、歩いているのは私たちぐらい。



歩道か車道かどっちか分からなくなるほど広い道



根室からは納沙布岬というところに向かい、北方領土を見に行きます。この辺はあまり天気のいいところではないので果たして見れるかどうか、と心配していましたが、日頃の行いが良かったのか(笑)この日は快晴!納沙布岬には地元のワンマンバスでゆっくりと向かいます。途中、昆布を干している家が何軒もありました。ここの人々にとって大切な産業とも言える昆布漁です。



昆布があたり一面に干されています。



さて、納沙布岬に着きました。観光地と言ってもここまで来る人はなかなかいないようで普通の観光名所とはちょっと違う雰囲気です。しかし、車のナンバーは京都だったり神奈川だったりとびっくりするほど遠くから来ています。って、私も鹿児島、いや、パリから来ているわけですから人のことは言えませんが。さて、目的の北方領土ですが...おおっ、見えました、見えました!向こうに見えるのは国後島です。





国後島が見えます。こんなに晴れて島が見える日は一年を通してもなかなかないとか。


日本であるのに日本でない。複雑なこの問題が実際この目で見てとても身近に感じられました。それまで遠い遠い存在だった北方領土が、自分が日本人である以上はどこかで関わっている問題なのだということを自覚させられました。

さて、北海道にもいよいよお別れを告げる時がやって来ました。海外に住んでおきながら日本以外のいろいろな国を旅したことがありますが、この道東の旅は今までで心に色濃く残る旅の一つとなりました。日本であるのに日本でないような不思議なところ、北海道。広い広いこの土地にはまだまだ見るところがたくさんあるでしょう。また戻って来たいです。でもひとまずはお別れです。根室から空港行きのバスに乗って一時間半で中標津空港に着きました。とっても可愛い空港です。ここで北海道ソフトクリームを搭乗15分前に食べ納めます。


中は木がふんだんに使われていてとても可愛い空港。


大自然、美味しい魚介類、野生の蝦夷鹿、そしてアイヌ文化と刺繍を含めたその手しごと、ゆっくり流れる時間。北海道では全てが刺激的で、今の日本人が忘れてしまった物がここにはまだ残っているような気がしました。
ありがとう北海道。そしてまたいつか必ず戻って来ます。

2010年9月11日土曜日

北海道 道東の旅 - 日本最東端へ

フランスは9月で新学期。それまでの静けさを一気にひっくり返すように忙しくなります。北海道の旅シリーズを終えぬまま新学期を迎えてしまったのですっかり遅くなってしまいました。ごめんなさい。

さて、この北海道シリーズは日本の最東端で終わります。今度は釧路から根室に移動します。また素晴らしい湿原の中を通る根室本線に乗って移動です。どこを見ても緑、緑。電車は緑の中の一本道をガタンゴトンとゆっくりと走ります。久しぶりに各駅停車の電車に乗りました。ゆっくりとした各駅停車の電車の旅は、新幹線や特急では得る事の出来ない時間の流れを感じます。いつもと同じように流れている時間のはずなのに、鈍行列車に乗っているだけで幸せを感じるなんて極上のひと時です。





緑の中の真っすぐな単線を電車はゆっくりと走ります。


電車の中はとっても快適。


シートには北海道特有の動物柄が。



さてさて、電車の中での楽しみと言ったら駅弁。釧路では秋刀魚棒寿司を買い、駅では海鮮弁当を入手。早速味見。ううっ、この秋刀魚棒寿司、ウマ過ぎ!一本全部食べれそう...そして釧路駅で買った駅弁はご覧の通り海の幸ずくし。

秋刀魚棒寿司


これを食べると絶対に「生きててよかった」と思います。


ウニ、カニ、イクラ、サーモン、これでもかというくらいの贅沢な駅弁。


サーモンがご飯よりも厚い...


しかし、そのほとんどを息子が完食(涙)。二つ買っとけば良かった。


さて、もうすぐ根室に着きます。

2010年9月1日水曜日

北海道 道東の旅 - 釧路へ

アイヌ刺繍家の方たちとのつかの間の時間に後ろ髪を引かれながら阿寒湖畔を後にします。摩周駅から一両の電車に乗って釧路を目指します。この釧網本線は素晴らしい緑が広がるタンチョウヅルの生息地で有名な釧路湿原を通ります。実は私の出身地もナベヅル、マナヅルで有名な鹿児島の出水市(いずみし)というところなのですが、美しさではこのタンチョウヅルにはかないません。うちのほうは質より量で勝負と言うところでしょうか。





駅も可愛い。




さて、釧路に着きました。釧路も霧の街。着いた時もやっぱり霧に覆われていました。




そして、釧路と言ったら「炉端焼き」!これを食べなきゃ釧路に来た意味が無い。基本的に自分で焼くのですが、分からないとこうやってお店の人が来て手伝ってくれます。



味付けはイカのミソだけ。激ウマ。



期間限定の特設炉端焼き。地元の人で賑わっていました。



釧路の夕日。



次の日は有名な「和商市場」へ。フランスの市場と相反して肉がどこにもありません。魚介類、海草類、そして野菜。どれもこれも美味しそう。ホテルの朝ご飯を食べないで、ここで勝手丼を食べるべきだったと今さらながら後悔しています。





釧路まで来るとかなり東端に来ている事になるので日の出が早いです...と聞いてはいましたが、朝の3時に既に外が明るかったのにはびっくりしました。同じ日本でも「ここは北海道なんだ」と思わせる一瞬でした。

2010年8月29日日曜日

北海道 道東の旅 - アイヌ刺繍家と遂に対面

熊の木彫りを眺めているとこのお店のオーナーである中川祐子さんから声をかけられました(「クロユリ屋」北海道阿寒町阿寒湖温泉四丁目七番十六号)。商品のことを丁寧に説明していただき、お話しているうちに実はアイヌ刺繍に興味があって北海道に来ましたということを伝えたところ、「これは全部私が作ったの」と壁にかかっている数々のアイヌ刺繍の上着を見せてくれました。実は彼女自身がアイヌ刺繍家だったのです。うわー、遂にアイヌ刺繍の刺繍家に巡り会うことが出来ました。「ちょっと着て見る?」と言われて、恐れ多かったのですがお言葉に甘えて試着させていただきました。自分で言うのもなんですが、南国顔の私にはよく似合います。着物よりも全然イケてます。




目を凝らしてみると間違いなく全部手縫い、手刺しです。木彫りの熊も含めてここには手仕事しかありません。アイヌ刺繍の生に出逢えて興奮していると「アイヌ 刺繍が好きならこんな本があるのよ」とお店にある本を一冊私に見せてくれました。この本は実は前日行った北方民族博物館で私が既に購入している本でした。 アマゾンでも購入出来るので興味のある方は是非。
「西田香代子のテケカラペ アイヌ刺繍」




ということを中川さんに伝えると「あら、そうなの。この作家の方うちのすぐ斜め前の家なのよ。それじゃ、今から行きましょう」とそのままはす向かいのお店 に。あ、はい。でも、お店はいいんですか...と躊躇しながらも向いの店に。店に入ったと思ったら「はい、上がって」といきなり店を通り越して家の中 に。いきなり知らない者が家に上がって失礼ではないかと思ったのですが、もしかしたらここでは周りの人はみんな知り合いで家族のような付き合いなのかも しれません。私が小さい時も(今でも時々)、呼び鈴も鳴らずにいきなりドアがガラガラと開いて「こんにちはー。いますかぁー」という時がありました。こんな光景、ちょっと懐かしいです。中ではこの本の作家である西田香代子さんが忙しくお昼ご飯を作っておりました。中川さんが私がアイヌ刺繍を見るために北海道に来たいきさつを話すと、今度は彼女の作品を見せてもらう事に。何だかすごいスピードで私の求めている物が目の前に次々と出て来ます。中川さん曰く「彼 女(西田さん)の作品は本当の芸術品よ」褒めていました。一針一針心を込めて刺した細かく丁寧なステッチは、西田さんが作品に対して決して妥協しないという意気込みを感じることが出来ました。どこにも手を抜いた跡がない...中川さんが「芸術品」と言っている理由が分かりました。「じゃ、私がモデル になって着てあげるわ」と中川さんが羽織ってくれました。






アイヌ刺繍作家の方とお会い出来て話は今から盛り上がる、という時にもう電車に乗るために時間が来てしまいました。非常に残念です。ただ、北海道は広くて移動に時間がかかるのでこの電車を逃したらあとがありません。まだまだたくさんお話をしていたかったのに、泣く泣くこの阿寒湖畔を跡にして摩周駅まで向かうことになりました。

こんな見ず知らずの私を快く迎えてくださった、中川様、西田様、本当にありがとうございました。また必ずここに戻って来ますね。今度は私の木彫りの熊も一緒に。

2010年8月28日土曜日

北海道 道東の旅 - 木彫りの熊の出身地を確認する

神秘的で同時に不気味な摩周湖を後にすると今度は屈斜路湖に。読み方は「くっしゃろこ」ですよ。この湖はかなり遠くから見下ろすような形だったので摩周湖よりは背筋は寒くなかったのですが、ここも近くに寄ったらかなり...恐いと思います。



今まで湖はいくつも見て来ましたが、摩周湖も屈斜路湖もこんなに神秘的な湖は生まれて初めてです。いろいろな魂が宿っているのを体と心で感じます。湖を見ただけで肝試しと同じ感覚を味わえるとはすごいです。

さて、今度はもっと陽気なはずの阿寒湖畔を目指します。ここにはアイヌの文化が集中している場所のはず。私の今回の旅の目的がぎっしり詰まっているはずです。何だかドキドキしてきました。阿寒湖畔に着くとお土産通りが目の前に広がります。日本のどこにでもある見慣れたお土産のお店が何軒も連なります。とりあえず最初に目に留まったお土産屋さんに入ってみました。そうそう、北海道のお土産と言ったら鮭をくわえた木彫りの熊ですよね。あるある、大中小と大きさもいろいろ。これが全部手で彫られているんだー、感心していてふと横に目をやるとびっくり!私の知っている人が何人もいます!それは、この人。

 

棚にずらっと並ぶのは私が小さな時から大事にしている木彫りの熊。何故ここに...この私の熊は私が9歳ぐらいだった時に、熊本の熊牧場という熊しかいない動物園(たくさんの熊がいますがどの熊も同じに見えますが...)で購入したものです。実は彼の出身は北海道だったのか、というのをこの時に発見します。ちょっと感動です。ずっと熊本の出身だと思っていたのですが、実は北海道からはるばる九州にお嫁に(?)来た人だったとは。手先の器用なアイヌの方に一つ一つ丹念に彫られた熊達は私の熊と同じように優しい顔で微笑んでいます。私はこの熊を実はずっと旅行の時、特に飛行機に乗る時にはつい最近までお守りとして持ち歩いていました。何故この熊ちゃんをお守りにしていたのか未だに分かりません。ただ可愛かったから?いや、きっと手で彫られて彫り手の方の魂が込められてそれを自然と私が感じてお守りにしていたのでしょうか...手作りのパワーを改めて感じ、そして確信します。この北海道旅行の時にこの子を連れて行ってなかったのが残念で仕方ありません。しばし、棚に並んだ熊達を見詰めて恍惚状態でした。

2010年8月27日金曜日

北海道 道東の旅 - 知床半島、摩周湖

博物館を後にして目指すは知床半島。車窓から見える海はオホーツク海!ここも誰もいない...まあ、ちょっと海水浴という感じのビーチではないですね。どこまでも寂しいオホーツク海は波もあまり立ちません。冬はここを流氷が埋め尽くすのですね。そんな風景も見てみたいです。




一両の電車が可愛い。



北海道は自然の宝庫だと聞いてはいましたが、至る所に蝦夷鹿が!おおっ、この牡鹿の貫禄。サファリパークではないですよ、野生の鹿ですよ。今じゃ、人間が鹿をいじめようものなら人間の方が罰されるので、それを知っているかのように余裕で草を蝕んでいます。



オホーツク海をバックに緑が広がる自然。向こうにはまた鹿が。



山の方にはまだ残雪がちらほらと。


あまりにも神秘的なオホーツク海。こんな雰囲気だと海水浴ってムードにならないですよね。一度足を踏み入れたら戻って来れなさそう。



そしてこれが歌にもある「霧の摩周湖」。神秘的というよりも恐い!



霧が晴れたら...もっと恐い!


北海道の自然は壮大なだけでなく神秘的。何かビリビリしたものを全身で感じますね。