2009年4月30日木曜日

自然と共存するブルトン

ブルターニュの天気は変わりやすいです。晴天だと思っても一時間後にはどしゃぶり、そしてその後にまた真っ青な空が広がる...の繰り返し。だから南仏の色鮮やかな風景とは違い、荒涼とした大地に緑が広がり、海辺は荒波に削られた岩がごつごつしたところが多い。厳しい自然と共存せざるを得ず、そんな背景もあってブルトン(ブルターニュ人)は逞しいのだと思います。2月に開かれた農業見本市ではブルターニュ地方の盛り上がりは他のそれと比べてもかなりすごかったのを覚えています。ケルト文化が根付くこの地方の人は本当に自分の郷里を大切にし、ブルトンであることをとても誇りにしています。ブルターニュ出身の人は自分はフランス人と行った後には必ずと言っていいほど「ブルターニュ人です」という一言を付け加えます。滞在中雨に一度は打たれると分かっていてもそんなブルターニュが私は好きです。今からフランスを滞在なさる方、是非ブルターニュまで足を運んでみてください。パリで見たエレガントなフランスとは違う堂々とした農業国フランスという一面を垣間見ることがことができるでしょう。



2009年4月29日水曜日

ミルフィーユ

ブルターニュで食欲にターボエンジンがかかってしまっては、行くところ行くところで美味しそうなものがあるとアンテナがピピッとすぐに反応します。町のブロカント(蚤の市)がたまたまあったのでMさんと出かけると、すぐ近くにパン屋さんが。お昼のパンを買うつもりでお店に入ると美味しそうなミルフィーユが私にウインク(しつこい?)。ミルフィーユ、実は大好きなお菓子の一つです。大きさも形も色もどこから見てもパーフェクト。先日のレースの本のように出会いを感じながら、しかし「買う必要のない理由」など考える間もなく購入(食べ物の力は恐ろしい)。私にとってミルフィーユは結構こだわりのあるお菓子で、パリの洒落たお菓子屋さんに入ると味はいいのだろうけど妙に小さくて庶民のサイズでない。小さくしてお洒落にしているつもりだろうが、小さなミルフィーユは私にとってはただのコスト削減としか思えない。一方、庶民的サイズで売ってあるお菓子屋さんのものは、よく上がアイシングなどでコーティングされていたり(甘すぎ)、下町に行くとマジパンで覆ってあったりして寒気のするデコレーション。大きくて、パリパリっとしたパイ生地に、カスタードクリームがたっぷり入ってそのクリームは黄色すぎなくほんのりと卵色、そして仕上げは粉砂糖。これが私がミルフィーユを買う時の絶対条件。それを全て満たしているミルフィーユにこんなところで出会えるとは。ホクホク顔でデザートに食べようとしたら私を羨ましそうに見ている顔が3つ。全部一人で食べたかったけど、さすがに大の大人が子供三人の前で一人で全部食べる訳にはいかず「食べたい」と聞いたらみんな待ってました、という勢いで「うん!」と二つ返事。お味のほうは...うーん、ブルターニュの大地がいっぱい詰まったというような素朴でコクのある味でパーフェクト。





2009年4月27日月曜日

ブルターニュの海

山がほとんどないブルターニュはどこまでも広がる大地、そして海に囲まれた豊かな地方です。大地では数々の農産物が採れ、畜産も数多く、海では様々な海の幸が収穫されます。Mさんの家のから海まではすぐ。車で10分も行けば素晴らしい海辺が広がります。地中海側のフランスとは違い潮の満ち引きが激しいブルターニュ。常に厳しい自然と共存してきたブルターニュ人、ブルトンの逞しさをその自然を目の前にして納得させられます。ごつごつした岩も多く、そこにはムール貝や牡蠣が大地に寝そべる牛のようにお昼寝しているようです。パリで高いお金を出して買っているムール貝や牡蠣がいたるところに!ムール貝はまだしも、岩牡蠣は石を使ってもびくともしません。いたるところに貼り付いた牡蠣が私たちを見て「はっはっはっ、どうだ、食べたいだろう。食べたかったら採ってみろ」とでも嘲笑していたようでした。この時の私ってちょっとパラノイア状態?
この時期は至る所に菜の花が咲き乱れて黄色い絨毯があちこちに見られました。日本の菜の花よりも茎がしっかりしてさすがブルターニュの菜の花です。お味噌汁に入れたらきっと固すぎるでしょうね。



向こうに見えるのはサン・マロの街






ムール貝みっけ!


おおっ、至る所にムール貝が!


びくともしない岩牡蠣


おびただしい岩牡蠣を前にわなわなと震える私


眩しいほどの菜の花畑

ブルターニュに食す

ブルターニュを訪れるのはもう何回目でしょうか。去年も3回行っているし、元々知り合いが住んでいるという縁からもう数えきれないほどです。そして、毎回毎回この地方の偉大さを体で感じます。特に胃袋で。この地方の乳製品と肉と言ったらもう活字には出来ないダイナミックさと味。どこまでも続く広大な土地にはゆったりと牛が寝そべっています。海側では牡蠣が取れます。ワインにはあまり適していない土地ですがシードルなどのりんごを使ったお酒は激ウマ。滞在中は6時を過ぎる頃には陶芸家のMさんとの宴が始まります。まずパリでも食したことのあるブルターニュ産ヨーグルト「麻呂」ではなくて「マロ」。サン・マロという街の近くで作られるからこう呼ばれているのでしょう。容器のデザインがレトロで超カワイイ!だけど、パリのモノプリで食べた時には特別美味しいと思わなかったのに、ここで食べるとものすごく美味しいと感じるのは何故でしょうか。自然に囲まれているという環境が味を変えるのでしょうか、それともこういう食材はパリに運送される途中でやはり味が落ちてしまうのでしょうか。この緑色のマロヨーグルトは脂肪分ゼロなのですがコクがあって美味しかったです。そして、パリではお目にかかったことのない「紙箱入り」プチ・スイス。プチ・スイスは、ヨーグルトとクリームチーズを合わせたような濃厚な乳製品です。喉が渇いているときにうっかりして食べるとむせます。それぐらい濃厚な口の中に貼り付くようなテクスチュアです。しかし、パリで売られているのは一つ一つがカップに入っていますが、これは「紙」箱入り。限りなくレトロに徹している麻呂、いや、マロです。
滞在中にはMさんの知り合いのご夫婦が夕食に来ました。彼らが持参してくれたものは、自家製フォアグラと自家製タルト・タタン。ああ、今日まで生きていてよかった(涙)。フォアグラのお味は...ごめんなさい、その美味しさは活字には表せません。そしてタルト・タタンにはその上に大胆に生クリームをのっけて食します。あまりの美味しさにこの後体重計に乗ったらどうなるのかという惨事も頭からかき消されます。
ブルターニュの母なる大地を丸かじりして大満足のソワレ。この後のつけはブルターニュの牛のようになるかパリに帰って粗食と運動で元の体重に戻すかの二つに一つ。















ブルターニュ - 出会いの一冊

ブルターニュに行ってきました。陶芸家のMさんの田舎のお家にお邪魔させてもらいました。車に荷物を積んでいざ出発。渋滞にも引っかからず迷わず、Mさんの素晴らしい運転で超スムーズに到着。着いてその日に行ったスーパーではさすが、ブルターニュ物産がどっさり。そして、入っていきなり、私が密かに熱中しているブルターニュの民族衣装、それもレースについての本が目に飛び込んでくる。まさか、ここまで来て本は買いませんことよ...オッホッホッホッホッ(汗)。かといって無視する訳にはいきません。とりあえず手に取ってみます。早速「買う理由がない」という言い訳を見つけることからチェック。中を開くと、ブルターニュの民族衣装における歴史から地方によってレースの模様が違ってきたりという内容そして織り方の技術の説明までびっちり説明してあって読み応えあり...ううっ。そして、なんと知り合いの家で会ったことのあるブルターニュ衣装博物館のオーナーのGさんが写真に載っているではないですか。まあ、こんなものパリの大きな出版社から出てるんでしょ、いつでも買えるわと思いながら出版社のチェック。出版社はcoop breizh...聞いたこともないし、どう考えてもブルターニュ語としか思えない響きの名前。案の定「カンペール」というブルターニュの町のどこかで編集されたらしい。そして、裏を返すとブルターニュの産の食物に表示されているようなラベルが。「ブルターニュ産。文化と創造をセレクション」と。負けました。バカンス先に行ってまで本は買うのはもう控えようと思いましたが、これはまぎれもない出会いでした。気がついたらレジではしっかりこの本を握っていました。そういえば、この本と目が合った時本が私にウインクしたような(ほんとかよ!)。





おおっ、ちゃんとproduit en Bretagne(ブルターニュ産)と表示が。

2009年4月8日水曜日

手編みルームシューズ見っけ

マレ地区をブラブラしていたらショーウィンドーに手編みのルームシューズを発見。どうやら輸入雑貨屋らしいのですが、並べているものが結構マニアック。中に入ると初老の男性が奥で店番。ショーウィンドーに飾ってあるルームシューズのことを聞くと「ああ、これのことですね」と棚にずらりと並べられた手編みの手袋から靴下を指差す。あああ、どれもこれもかわいすぎ、全部欲しい!どれも全てウール100%、と手にとるだけで分かる。しかし!ここフランスは冬に終わりを告げ毎日確実に暖かくなってきています。この先少し冷え込むことはあったとしても、ウールのルームシューズを必要とするほど寒くなることはまずないでしょう。ここでこれらを手に入れたとしても出番が来るのはせいぜい半年後。だけど...やはり誘惑には負けられず2足お買い上げ。実はこのお店、トルコ人のムッシューが経営していて、トルコと言えばかぎ針の「オヤ」。恐る恐る彼に「もしかして「オヤ」って知ってます?」と聞くと「ビアン・シュール!(もちろん)」とオヤで飾られたピアスを見せてくれました。ミシン糸ぐらい細い糸をレース針で編んだ小さな小さなモチーフで作られたオヤのピアスはとってもキュート。「私の家内が作ったんだ」と自慢げに見せてくれました。そういえば、70年代に流行った歌でこの曲はトルコを舞台にしていましたね。私のカラオケのレパートリーにも入っていますよ(^^;
すぐには出番のこないルームシューズですが、出番が来るまでは編み方を研究して今度は自分でオリジナルのルームシューズを編めるようになるよう努力します、というのはこの季節外れの購入物に対しての言い訳?

お店の住所

"Miizo"
64, rue Vieille du Temple 75003 Paris







2009年4月6日月曜日

ブロカント

久しぶりにブロカント(蚤の市)に行ってきました。今日はブロカントの達人、友くんに案内してもらいました。場所はパリ郊外のSavigny sur Orge。し、知らない、こんな場所(汗)。実は私パリの中は問題なく行動できるのですが、一旦パリを囲む環状線を越えてしまうと一気に迷ってしまう人なので、郊外と聞いただけでちょっと冷汗。つまり、山手線の外に出てしまうと迷ってしまうのと同じことですね。友くんの指示通りSavigny sur Orge行きの切符を買いいざ出発。さすが達人!あっという間にブロカントまで辿り着きました。私の目的はボタン、リボンなどの手芸材料。手に入れたのは、ヴィンテージっぽいデザインのものから70年代を語っているようなものまでいろいろ。もちろん、ただの白ボタンも山ほどあったのでその中を引っ掻き回して探さないといけませんが、これも蚤の市の醍醐味。その後思いがけず、70年代風のアクリルのサマーセーターを1ユーロでゲット。その場で試着、ってことも出来ないので体に合わなかったら残念でした、ということで。でも、1ユーロだから惜しくないか。しかし、家に帰って恐る恐る着てみたら、もうぴったり!こちらの洋服は縫製管理がずさんなものが多く、試着しないで買うととんでもないサプライズが待ち受けていたりします。過去に買ったフランスでも日本でも人気の某ブランドのタートルセーターなんて試着せずに買って家に帰って着ようとしたら首が出なかったということもありました(^^; それが1ユーロで蚤の市で買ったセーターがぴったりだなんて、これもまた素敵な出会いです。だけど、白だからこの先1グラムも太れないです(*_*)
達人の友くんは...何かたくさん買ってましたね。帰るとき腕が痛そうでした(^^;
ブロカント巡り、ちょっと癖になりそうです。



うわーっ!ターコイズブルーの黒人の彼女、めちゃ70年代で素敵です。こんな音楽が聞こえてきそうですね。







出会いの一品。