2010年9月21日火曜日

Shetland Triangle 本番終了

パリは8月の悪天候をリベンジする如く、毎日快晴続き。影の長くなった初秋に雲一つない紺碧の空はパリの街をさらに美しく演出してくれます。しかし、朝夕はもう冬が近づいていることを確実に知らせるように冷え込んでいます。そんな時に本番編みをしていたShetland Triangleが編み上がりました。そうです、あの訳の分からない編み始めを読解していたあのショールです。ウールやアルパカではないため(キャメルとシルク)防寒性には乏しい恐れがあります。よって、この初秋にはぴったりかもしれません。







実はこのショール、前に練習用で編んだショールとちょっとだけ違います。3目一度のところの目が前回のものは真ん中の編み目が真ん中に位置するように目の位置を針に移し替えてそれから3目一度を編んでいましたが、今回はもっとシンプルにざっくりとそのまま3目を一度編む事に。なので、よーっく見ると3目の一番左の目が一番上に来るようになっています。前回のショールと比較。


今回は左側の針にかかっている3目をそのままざっくりと編みました


前回は3目の真ん中の目が中心になるように目の位置を移動して3目一度を編んでいました。そのため、こちらは筋を入れたような立体的な模様が出来ました。



このショール、編み上がった後はあの面倒くさい「ブロッキング」が待っています。水に浸けて広げてピンを打って一晩おいて...ああ、めんどくさっ。
このショール、最後伏せる時はゆるすぎるぐらいゆるゆるに伏せてください。自信のない人は太い糸にかえるのも手です。私は3号針で編んで6号針に換えて伏せ目をしましたがそれでもゆるみが足りず、一番下のとんがった部分が真っすぐになってしまい何とも貧弱で間抜けな仕上がりになり、仕方なくほどいて今度は13号針(!)に換えてゆるゆるに伏せたらやっと下のようなとんがりを形成することが出来ました。



それでは、これから本格的な冬支度。そして編み物三昧の日々が始まります。

2010年9月12日日曜日

北海道 道東の旅 - さよなら北海道

根室に着いたらさらに涼しいです。東京では30度だというのにここは20度を切っています。
さて、根室に着くと道路の標識などが日本語、英語そしてロシア語で書かれています。また「ここは北海道なんだ」と改めて納得。シリーズの最初で紹介しましたが、道路が広い!歩道が車道ぐらいの広さで歩いている人がいない。というか、歩いているのは私たちぐらい。



歩道か車道かどっちか分からなくなるほど広い道



根室からは納沙布岬というところに向かい、北方領土を見に行きます。この辺はあまり天気のいいところではないので果たして見れるかどうか、と心配していましたが、日頃の行いが良かったのか(笑)この日は快晴!納沙布岬には地元のワンマンバスでゆっくりと向かいます。途中、昆布を干している家が何軒もありました。ここの人々にとって大切な産業とも言える昆布漁です。



昆布があたり一面に干されています。



さて、納沙布岬に着きました。観光地と言ってもここまで来る人はなかなかいないようで普通の観光名所とはちょっと違う雰囲気です。しかし、車のナンバーは京都だったり神奈川だったりとびっくりするほど遠くから来ています。って、私も鹿児島、いや、パリから来ているわけですから人のことは言えませんが。さて、目的の北方領土ですが...おおっ、見えました、見えました!向こうに見えるのは国後島です。





国後島が見えます。こんなに晴れて島が見える日は一年を通してもなかなかないとか。


日本であるのに日本でない。複雑なこの問題が実際この目で見てとても身近に感じられました。それまで遠い遠い存在だった北方領土が、自分が日本人である以上はどこかで関わっている問題なのだということを自覚させられました。

さて、北海道にもいよいよお別れを告げる時がやって来ました。海外に住んでおきながら日本以外のいろいろな国を旅したことがありますが、この道東の旅は今までで心に色濃く残る旅の一つとなりました。日本であるのに日本でないような不思議なところ、北海道。広い広いこの土地にはまだまだ見るところがたくさんあるでしょう。また戻って来たいです。でもひとまずはお別れです。根室から空港行きのバスに乗って一時間半で中標津空港に着きました。とっても可愛い空港です。ここで北海道ソフトクリームを搭乗15分前に食べ納めます。


中は木がふんだんに使われていてとても可愛い空港。


大自然、美味しい魚介類、野生の蝦夷鹿、そしてアイヌ文化と刺繍を含めたその手しごと、ゆっくり流れる時間。北海道では全てが刺激的で、今の日本人が忘れてしまった物がここにはまだ残っているような気がしました。
ありがとう北海道。そしてまたいつか必ず戻って来ます。

2010年9月11日土曜日

北海道 道東の旅 - 日本最東端へ

フランスは9月で新学期。それまでの静けさを一気にひっくり返すように忙しくなります。北海道の旅シリーズを終えぬまま新学期を迎えてしまったのですっかり遅くなってしまいました。ごめんなさい。

さて、この北海道シリーズは日本の最東端で終わります。今度は釧路から根室に移動します。また素晴らしい湿原の中を通る根室本線に乗って移動です。どこを見ても緑、緑。電車は緑の中の一本道をガタンゴトンとゆっくりと走ります。久しぶりに各駅停車の電車に乗りました。ゆっくりとした各駅停車の電車の旅は、新幹線や特急では得る事の出来ない時間の流れを感じます。いつもと同じように流れている時間のはずなのに、鈍行列車に乗っているだけで幸せを感じるなんて極上のひと時です。





緑の中の真っすぐな単線を電車はゆっくりと走ります。


電車の中はとっても快適。


シートには北海道特有の動物柄が。



さてさて、電車の中での楽しみと言ったら駅弁。釧路では秋刀魚棒寿司を買い、駅では海鮮弁当を入手。早速味見。ううっ、この秋刀魚棒寿司、ウマ過ぎ!一本全部食べれそう...そして釧路駅で買った駅弁はご覧の通り海の幸ずくし。

秋刀魚棒寿司


これを食べると絶対に「生きててよかった」と思います。


ウニ、カニ、イクラ、サーモン、これでもかというくらいの贅沢な駅弁。


サーモンがご飯よりも厚い...


しかし、そのほとんどを息子が完食(涙)。二つ買っとけば良かった。


さて、もうすぐ根室に着きます。

2010年9月1日水曜日

北海道 道東の旅 - 釧路へ

アイヌ刺繍家の方たちとのつかの間の時間に後ろ髪を引かれながら阿寒湖畔を後にします。摩周駅から一両の電車に乗って釧路を目指します。この釧網本線は素晴らしい緑が広がるタンチョウヅルの生息地で有名な釧路湿原を通ります。実は私の出身地もナベヅル、マナヅルで有名な鹿児島の出水市(いずみし)というところなのですが、美しさではこのタンチョウヅルにはかないません。うちのほうは質より量で勝負と言うところでしょうか。





駅も可愛い。




さて、釧路に着きました。釧路も霧の街。着いた時もやっぱり霧に覆われていました。




そして、釧路と言ったら「炉端焼き」!これを食べなきゃ釧路に来た意味が無い。基本的に自分で焼くのですが、分からないとこうやってお店の人が来て手伝ってくれます。



味付けはイカのミソだけ。激ウマ。



期間限定の特設炉端焼き。地元の人で賑わっていました。



釧路の夕日。



次の日は有名な「和商市場」へ。フランスの市場と相反して肉がどこにもありません。魚介類、海草類、そして野菜。どれもこれも美味しそう。ホテルの朝ご飯を食べないで、ここで勝手丼を食べるべきだったと今さらながら後悔しています。





釧路まで来るとかなり東端に来ている事になるので日の出が早いです...と聞いてはいましたが、朝の3時に既に外が明るかったのにはびっくりしました。同じ日本でも「ここは北海道なんだ」と思わせる一瞬でした。