2014年11月29日土曜日

レインボーカラーの靴下とガンジー模様の靴下

相変わらず続いている靴下編みです。ドイツの10年保証の毛糸で編んでいた靴下が編み上がりました。編むだけで縞模様が自然に出来上がるのは楽でいいですね。果たしてこちらの靴下、履き続けても10年持ってくれますでしょうか?
そして、こちらの靴下の次はサンプル編みでガンジー模様の靴下です。こちらは、オリジナルデザインです。自分で模様をデザインしてサンプル編みをした結果、悪い出来ではないのですが「あそこをこうすればよかった」とかいう箇所が目について、毎回ながらのデザイン変更となります。こうやって見るとなかなかいい編み上がりなんですけどね。






2014年11月24日月曜日

マリークレール・イデ

毎年恒例のクラフト雑誌「マリークレール・イデ」が主催するクラフト見本市に行ってきました。最終日ということもあって人も少なく歩きやすかったです。でも、きっといい物はもう売れてしまった感じ。
 一時、毛糸関係が落ち込んでそして一昨年あたりからまた復活していましたが、今年はまた毛糸が少し少なくなっていた印象を受けました。それでも、大手の毛 糸メーカーのPhildarやこの見本市に賭けている毎年出展されている毛糸屋さんは健在。未だお店に行けていないいつかは足を運んでみたいと思っている モンマルトルの毛糸屋さん"Les petits points parisiens"も出展していました。



 私は、友人の和布を売っている"KAETSU"のブースを少しだけお手伝い。
こちらは、パッチワークやバッグ作りを中心に手仕事しているお客さんが大半です。
今回は新しいバッグの柄なども出ていて、私も欲しいものばかりでした。でも、まずは編み物で作品を作って毛糸の在庫処理が先決。布に手を出しているヒマなどありません。
こちらのKAETSUはパリに小さなブティックがありますので、近くまで立ち寄られた方は是非覗いてみてください。

KAETSU
8, rue du Roule 75001 Paris





2014年11月18日火曜日

クラフトな瞬間

デュッセルドルフの街中を歩いていたらカラフルなものが。???何だろうと、目をこらしてみると、横断歩道を渡る途中にいきなり色とりどりのフェルト(?)で出来た手が飛び出しています。冷たい感じのアスファルトやコンクリートもこうやって手作りで飾るとホッとする空間となりますね。

2014年11月17日月曜日

ヴッパータール(ドイツ)のエンゲルスハウスと繊維博物館 最終回

こんな小さな街で、世界を変えるような思想家と会社経営者の交流があったとは。産業革命時代にいろいろなものが機械化、工業化されて同時に新しい形での格差社会も生まれ、改めて「人間とは」「生きるとは」と問いただされた時代だったのでしょう。
博物館の中の機械は、紐のようなものを織るものもあれば、ブランドのタグを織ったりと様々な用途で使い分けられています。
タグのパターンが記憶してあるパンチカードが所狭しに置かれています。
現在はパソコンの画面で見ることが多い見本帳の数々。


 
織り方のチャートはとても分かりやすくて、今でも参考になる。

エンゲルスさんのお家はドイツのお家らしく、とてもシンプルで質素ですが、一つ一つがとても質の良いものと思わせるものばかりです。

 

繊維のことだけでなく、社会的、歴史的なこともたくさん勉強になったヴッパータールの街でした。ちなみに、帰りにモノレールの一番端の駅Vohwinkelの中に入っているパン屋+カフェでお茶をしましたが、パンもコーヒーも美味しくてお勧めです。友人が注文したソーセージ入りパイは絶品でした。

ヴッパータールのこの繊維博物館とエンゲルスさんのお家を訪問した次の日にデパートに行ったら、先日先輩ニッターさんからいただいた毛糸がセールに!それも100g玉。繊維博物館に刺激されて編む気満々でこんなに買っちゃいました。
そして、パリに戻って早速靴下編んでいます。先ずは先輩ニッターさんからいただいた10年保証の毛糸で。編み続けるだけで勝手にストライプ模様になるから編んでいて楽しいです。




ヴッパータール(ドイツ)のエンゲルスハウスと繊維博物館 その二

繊維博物館に入ったら、前回のバスク博物館で見た織り機などとは全然異なる、「産業革命」を象徴するような紡績機が所狭しに展示してあります。



 以前は手で織られていたレースが、産業革命時に機械化されてあっという間に量産出来るようになりました。
 ブレード織りの機械。
そして、これらの機械、あくまでも展示用でもうすっかり使い物にならない物かと思っていたら、博物館の職員の方が動かしてくれました!
ブレードの機械もまだまだ全然現役です。電気もまだまだ乏しく、コンピューターなどない時代にここまでの機械が存在していたとは感動!人間の知恵とは本当にすごい、と再発見した瞬間でした。

この繊維博物館のすぐ隣に「エンゲルスハウス」という、かつてこの繊維工場の経営者であったエンゲルスさんの邸宅があります。エンゲルスさん?誰?知らない...こういう時はすぐにウィキペディアです。
フリードリヒ・エンゲルス(Friedrich Engels, 1820年11月28日 - 1895年8月5日)は、ドイツの社会思想家、政治思想家、ジャーナリスト、実業家、共産主義者、軍事評論家、革命家、国際的な労働運動の指導者」
うーん、いっぱい肩書きがあってどんな人かつかみどころのない人です...
 一緒に行った友人が大学の時に政治経済専攻だったので、説明してもらいました。
エンゲルスさんは、ヴッパータールで紡績工場を経営するお父さんの仕事を引き継ぎました。当時、工場の社長という立場で資本主義者でありながら、共産主義思想を唱えていたカール・マルクスを支持していたそうです。当時ほとんど無一文であったマルクスを経済的に支えたのも彼であり、今で言ったらつまり「スポンサー」。そのような背景から、カール・マルクスの思想が世界的に影響を及ぼし今日でも語り継がれているのは、このエンゲルスさんのバックアップがあったお蔭と言っても過言ではないでしょう。
彼は、自分の工場で働いている幼少から労働することを強いられた子供たちを見て、自分が置かれている立場、そして資本主義というものに疑問を持ち始めます。


ヴッパータール(ドイツ)のエンゲルスハウスと繊維博物館 その一

先週は3連休を利用して電車でドイツのデュッセルドルフに行ってきました。ヨーロッパは陸続きなので、電車で少し行くと言葉も何もかもが変わる外国になるのが面白い。パリとデュッセルドルフは東京ー大阪間ぐらい。料金は早めに予約すれば往復で10000円しません。電車は「タリス」という赤い電車で、フランス→ベルギー→ドイツと、二つの国境を越えて3カ国を走ります。車内ではほとんど国内扱いで、切符の確認はあってもパスポートコントロールなどはなし。EUの人はパスポート以外の身分証明書で乗車可能です。そんなユルい国境越えに私も慣れてしまって、今回はあやうくパスポートを忘れそうになりました(汗)。

デュッセルドルフはヨーロッパの中で一番在住日本人の密集率が高い街で、駅前から伸びているインマーマン通りには日航ホテルをはじめ、たくさんの日本食屋やレストランが立ち並びます。私もこの街に日本人の友人が住んでいるので、彼女の家にフラッと遊びにいくことがよくあります。 ということで、デュッセルドルフの街は最近は一人で歩けることも出来るようになったぐらい頻繁に行くところです。今回は友人のお勧めでデュッセルドルフから30分程度で行けるヴッパータールという街を訪問しました。ガイドブックにもほとんど載っていないこの街、何があるの?と思ったのですが電車好きな私のツボを押さえるかのように、モノレールが街の中を地下鉄のように走っています。それもぶら下がったタイプの懸垂式モノレール。その名も「ヴッパータール空中鉄道」。電車は街の中を流れる小川の上を走るものだから、気分は遊園地に来た感じ。

このモノレールに乗って、エンゲルスハウスというところに行って繊維博物館を訪問しました。

2014年11月3日月曜日

サンプルを脱出してそろそろ作品を

いろいろな編み方を試している靴下ですが、サンプル作りを止めてそろそろ作品を作り始めようと思います。今日編み上がったのはこちら。これはかかとの部分を減目、増目で後でその部分をとじるというやり方。初めての靴下編みにはこの編み方が一番簡単かも。3.5ミリ針で44目で編んでいます。

2014年11月2日日曜日

バスク地方 最終回

今まではどちらかというと「山」のバスク人の手仕事中心でしたが、海辺のバスク人は羊が魚に変わります。海の男と女は網作りに大忙しです。

日本と同様、山と海に囲まれたバスク地方は自然の恵みを手仕事で様々な形に変え、自然と共に生きてきました。そして、自然とは決していつも優しいわけではなく、時には災害という形で倍返しするときもあります。そんな厳しい自然と共存して行くためには、頭と手を使って生きていくしかないのです。そして、それを支えるのは家族の絆。バスクはとても信仰心厚いカトリック信者の地方。日曜日も教会からミサを終えたたくさんの人が出てきました。物乞いする乞食しか教会にいないようなパリ周辺の教会とは全然違います。
家族のしがらみもたくさんあるでしょうが、きっと絆も強いのではないでしょか。

EUの中ではポルトガル、スペイン、イタリアとラテン系の国は不景気の元凶と見なされていてお荷物的な存在、と新聞やニュースでは報道されているのに今回訪れたバスク地方に関してはフランス側もスペイン側もみんな明るい...人の表情が明るいし優しいし世話好き、そして浮浪者もほとんど見かけませんでした。こういうところは食べれない人が出て来ても、そういう人がお荷物になるとしても何とかみんなで助け合うようになっているのでしょうか。こういう事情は住んでみないと実際は分からないと思いますが、大都会パリから訪れると、この地方には確実に生活の基盤に違うものを感じます。

現在、特に都会に住んでいるとあらゆるものがお金で買えるようになりました。国によっては健康さえお金で買うことができる、というところもあります。そんな社会に身を置いているとそれがだんだん普通と思うようになり感覚が麻痺してしまいます。しかし、今回のバスク旅行ではお金には変えられない、お金では買えない人間の真の部分を改めて知らされた気分になりました。

長々と博物館を歩いていたらトイレに行きたくなってしましました。おお、トイレも建物をそのまま残したオリジナリティに溢れる内装です。この博物館に来たら是非トイレにも行って下さいね。

そのまま一階に降りたら、スペインらしくパティオがありました。暑い日でもここでは涼が取れるようになっているのですね。回廊にも展示物があります。

売店では今まで見た展示物をまとめた本が売られていて、予定外の出費。しかし、この本、重い...まるで大辞林。日本から旅行される方、この本のせいで重量オーバーになるかもしれませんのでお気をつけ下さい。内容は、やっぱりバスク語とスペイン語(涙)。でも、写真が豊富なので購入する価値はありです。はた織り機などの説明が解説してあるリーフレットもありました。これはペラペラだから荷物になりません。


いかがでしたか。皆さん、機会があったら是非訪れて下さい、バスク地方。そして、ビルバオに行ったら是非このバスク博物館も。


Euskal Museoa Bilbao Museo Vasco

http://www.euskal-museoa.org/eu/hasiera