2014年11月2日日曜日

バスク地方 最終回

今まではどちらかというと「山」のバスク人の手仕事中心でしたが、海辺のバスク人は羊が魚に変わります。海の男と女は網作りに大忙しです。

日本と同様、山と海に囲まれたバスク地方は自然の恵みを手仕事で様々な形に変え、自然と共に生きてきました。そして、自然とは決していつも優しいわけではなく、時には災害という形で倍返しするときもあります。そんな厳しい自然と共存して行くためには、頭と手を使って生きていくしかないのです。そして、それを支えるのは家族の絆。バスクはとても信仰心厚いカトリック信者の地方。日曜日も教会からミサを終えたたくさんの人が出てきました。物乞いする乞食しか教会にいないようなパリ周辺の教会とは全然違います。
家族のしがらみもたくさんあるでしょうが、きっと絆も強いのではないでしょか。

EUの中ではポルトガル、スペイン、イタリアとラテン系の国は不景気の元凶と見なされていてお荷物的な存在、と新聞やニュースでは報道されているのに今回訪れたバスク地方に関してはフランス側もスペイン側もみんな明るい...人の表情が明るいし優しいし世話好き、そして浮浪者もほとんど見かけませんでした。こういうところは食べれない人が出て来ても、そういう人がお荷物になるとしても何とかみんなで助け合うようになっているのでしょうか。こういう事情は住んでみないと実際は分からないと思いますが、大都会パリから訪れると、この地方には確実に生活の基盤に違うものを感じます。

現在、特に都会に住んでいるとあらゆるものがお金で買えるようになりました。国によっては健康さえお金で買うことができる、というところもあります。そんな社会に身を置いているとそれがだんだん普通と思うようになり感覚が麻痺してしまいます。しかし、今回のバスク旅行ではお金には変えられない、お金では買えない人間の真の部分を改めて知らされた気分になりました。

長々と博物館を歩いていたらトイレに行きたくなってしましました。おお、トイレも建物をそのまま残したオリジナリティに溢れる内装です。この博物館に来たら是非トイレにも行って下さいね。

そのまま一階に降りたら、スペインらしくパティオがありました。暑い日でもここでは涼が取れるようになっているのですね。回廊にも展示物があります。

売店では今まで見た展示物をまとめた本が売られていて、予定外の出費。しかし、この本、重い...まるで大辞林。日本から旅行される方、この本のせいで重量オーバーになるかもしれませんのでお気をつけ下さい。内容は、やっぱりバスク語とスペイン語(涙)。でも、写真が豊富なので購入する価値はありです。はた織り機などの説明が解説してあるリーフレットもありました。これはペラペラだから荷物になりません。


いかがでしたか。皆さん、機会があったら是非訪れて下さい、バスク地方。そして、ビルバオに行ったら是非このバスク博物館も。


Euskal Museoa Bilbao Museo Vasco

http://www.euskal-museoa.org/eu/hasiera