2014年11月2日日曜日

バスク地方 その一

先週、フランスの南西部にあるポーという街を皮切りにバスク地方を旅してきました。バスク地方とは、フランスの南西部からスペインの北西部にかけて広がる地方で、独特の文化を持った地方です。バスク地方はバスク自治州とも呼ばれるぐらい独立意識が高く、民族、言語などさまざまな面で隣接した地方、国とは接点がなく未だその起源が解明されていません。ある研究者によると、バスク語と北海道のアイヌ語には共通する点が多々あるということ。4年前に旅行した道東で、北方民族博物館に行きましたがバスク地方のことはその時はまだ知らなかったので、まさか日本の北端にある場所とフランスとスペインにまたがるバスク地方に共通点があるとは思ってもみませんでした。

この地方のフランスとスペインを分けるのはピレネー山脈。秋晴れのピレネーは本当に心が洗われます。ところどころ、私が何度も訪れたことのある熊本の阿蘇山付近の風景に似たようなところもあったりしてホッとするような気持ちにもなりました。
さて、フランスのバスク地方から国境を越えてスペインのバスク地方に入ります。国境のない日本人にしてみたらこの「国境越え」、何年経ってもちょっと興奮してしまいますが、まるで地下鉄のような電車に乗らされてちょっと拍子抜け。でも、電車の中は既にほとんどがスペイン語で電車に入った瞬間もう国境越え、という感じです。もちろんパスポートチェックなどありません。電車が動いて2分ほどしたらフランスとスペインを分ける川を渡って国境越え。はい、これでスペインに入りました。

スペインのバスク地方は太陽も強いせいか、景色は乾いた感じで日差しも強いです。 まずは海岸沿いにあるサン・セバスチャンという街に来ました。10月も後半だというのにここはまだまだ夏です。バスク地方は山あり、海あり、そして温暖な気候、と本当に恵まれた環境にあります。
そして、サン・セバスチャンの後は、バスク地方で一番大きな街、ビルバオというところに行きます。ビルバオはグッゲンハイム美術館があることで有名ですが、コンテンポラリーものが苦手な私は街中にあるバスク博物館へ。
入り口があまりにも地味な上、グッゲンハイム美術館と違って出入りしている人の数がほんどなかったので、一瞬見落としそうでしたが何とか到達。そうそう、スペインでもらう地図って、本当に大ざっぱにしか書いていないので、美術館の印はついていてもそれがどこの通りとかいうことまで書いていない。ええっ!通りの名前が分からないでどうやって行けっていうのよ、と思いながら目印になる教会の周りやらをぐるぐる迷い迷って到達しました。
ロスタイムが 結構ありましたが、この博物館は大当たり!

バスク地方で有名な食べ物の一つに羊乳チーズがありますが、羊がいるということはもちろん毛糸も作っているということ。やっぱりありましたよ、羊毛で出来たあらゆる衣服が。バスク地方にもいろいろな羊の種類があります。




しかし、スペインのバスク地方に入るとあらゆる説明が「バスク語」で書かれていてその下にスペイン語で書かれています。現在はこの地方の文化、言語を保護する傾向が強くなってバスク語がどこに行っても優先されています。実際はバスク語で会話している人はほとんどいないらしいですが。なので、説明を読んでも何が何だか分かりません。

館内にはいろいろな種類の糸巻き機やはた織り機が展示してあり、見応え十分。持ち運び可能なものから工業的なものまで様々です。