2014年11月17日月曜日

ヴッパータール(ドイツ)のエンゲルスハウスと繊維博物館 その二

繊維博物館に入ったら、前回のバスク博物館で見た織り機などとは全然異なる、「産業革命」を象徴するような紡績機が所狭しに展示してあります。



 以前は手で織られていたレースが、産業革命時に機械化されてあっという間に量産出来るようになりました。
 ブレード織りの機械。
そして、これらの機械、あくまでも展示用でもうすっかり使い物にならない物かと思っていたら、博物館の職員の方が動かしてくれました!
ブレードの機械もまだまだ全然現役です。電気もまだまだ乏しく、コンピューターなどない時代にここまでの機械が存在していたとは感動!人間の知恵とは本当にすごい、と再発見した瞬間でした。

この繊維博物館のすぐ隣に「エンゲルスハウス」という、かつてこの繊維工場の経営者であったエンゲルスさんの邸宅があります。エンゲルスさん?誰?知らない...こういう時はすぐにウィキペディアです。
フリードリヒ・エンゲルス(Friedrich Engels, 1820年11月28日 - 1895年8月5日)は、ドイツの社会思想家、政治思想家、ジャーナリスト、実業家、共産主義者、軍事評論家、革命家、国際的な労働運動の指導者」
うーん、いっぱい肩書きがあってどんな人かつかみどころのない人です...
 一緒に行った友人が大学の時に政治経済専攻だったので、説明してもらいました。
エンゲルスさんは、ヴッパータールで紡績工場を経営するお父さんの仕事を引き継ぎました。当時、工場の社長という立場で資本主義者でありながら、共産主義思想を唱えていたカール・マルクスを支持していたそうです。当時ほとんど無一文であったマルクスを経済的に支えたのも彼であり、今で言ったらつまり「スポンサー」。そのような背景から、カール・マルクスの思想が世界的に影響を及ぼし今日でも語り継がれているのは、このエンゲルスさんのバックアップがあったお蔭と言っても過言ではないでしょう。
彼は、自分の工場で働いている幼少から労働することを強いられた子供たちを見て、自分が置かれている立場、そして資本主義というものに疑問を持ち始めます。