2010年8月26日木曜日

北海道 道東の旅 - 「北海道立 北方民族博物館」その三 アイヌ衣服との出逢い

北方民族文化の深さに圧倒されながら見回していると、ありました!アイヌ刺繍。これぞ、私が探して求めていたもの。他の民族衣服と比較すると色使いなど質素な感じに見えますが、よーく見ると細かな手仕事が施されています。


先の尖った文様は矢を表していて、外から悪い病気などが体に入り込まないように魔除けの意味を持っています。


文様に使われるステッチには主にチェーンステッチが多く見られます。


儀式用の衣装



これは樹皮衣。木の皮を剥いで、それを水に数週間浸けた後ぬめりを取って干しよく乾かし、それを裂いて糸にします。手のかかった繊維です。





ちょっと「かさこ地蔵」を思わせます。


こちらはアラスカのイヌイット作



そして、アイヌと言えば木彫り。あの北海道のお土産で有名な鮭を加えている熊の置物は彼らの手による工芸品です。織物や刺繍は女性の仕事、木彫りは男性の仕事となっているようです。


この他、ここに載せられないほどの素晴らしい展示品に息を飲む思いでした。北方民族に関する資料の多さ、内容の濃さと幅の広さではこの博物館に勝るところはないのではないでしょうか。また博物館はまさに森に囲まれた大自然の中で環境も抜群。ただし、車は絶対必要です。
網走の近くまで行くことがありましたら、是非、無理とは言いませんから、いや、やっぱり無理してでもこの博物館に行くことをお勧めします。