2009年3月2日月曜日

パリ農業国際見本市 Vol.4(最終回)

で、私はどこで仕事をしていたかというと、3号館の日本食紹介ブースです。いろいろなお客様が来て本当に面白かったです。既に日本食を良く知っている人はパリジャンと思われる方が多く、自分が何を食べたいか(+何を食べているか)という目的もしっかりしています。一方、たった今山から下りてきたようなほっぺたの赤い田舎のおじさんなどは目の前に並んだお味噌汁、おにぎり、うどん、そば、お好み焼きを興味深げにじーっと見つめ、自分の後ろに大人気のお好み焼きを何とかゲットしようという人たちの長蛇の列が出来ていようなど知らずいろいろ質問してきたり、「あらぁー、中華スープがあるわよぉー。みんなで飲みましょうよぉー」というマダムには「マダム、こちらは日本のブースでございます」とプライドを傷つけないように説明したり、「ナンプラーはありますか」「あの、そちらはベトナム料理に使う食材なのでこちらではなくベトナム料理のお店でお求めになられると思います」と、ナンプラーが初めてベトナムのものだと知って唖然としている男性客。味噌汁を毎朝飲みに来る別のブースで働いているマダムたち、初めてお蕎麦を食べてその後3回も戻ってくる中学生くらいの男の子、こちらで大人気の日本の漫画で見たことのあるおにぎりを初めて食べて嬉しそうな鼻にはピアスで髪をピンクに染めた女の子…次々と訪れるこの後きっと二度と会うことのない客を通して見る日本は私にとってとても新鮮なものに映りました。















そして、毎日物産展をはしごしていた私は毎日というほど戦利品を我が家に持ち帰る有様に。その中の一つはイタリア食材の一つリコッタチーズ。買った日とその次の日は蜂蜜をかけて胡桃をあしらいデザートとして食しましたが、この調子だと食べきれず腐ってしまいそうだったのでもったいなかったですが、チーズケーキにして食しました。見本市のような場所にいると家に帰っても気分が高ぶっているので、気分を落ち着かせるためのヒーリングベーキングはちょうどよかったです。私は、気分を落ち着かせるためによくお菓子を焼きます。分量をきっちり計ったりする行為がヒーリング効果をもたらしてくれるようです。














チーズケーキなどあまり作ったことないのでネットで見つけた簡単レシピで。うまく焼けるかなー。














やった!きれいに焼けました。














思わずアップ。














で、これは燻製モッツァレラ。トーストにして食べました。スモークした香りがたまりません。




























今までいろいろな見本市を見てきましたが、こんなに客層、年齢、階層など全てにおいて超越した見本市は初めてでした。この場でフランスの真髄を垣間見たような気がします。そして、豊かな農業国フランスの大地が生み出す農産物とそれを作り出していくフランス人の底力。明日フランスの食料輸入が全て止まってしまったとしてもこの国にいる限り食に困ることはないのでは、と思いました。このような素晴らしい見本市で仕事をする機会を与えてくださった日本ブースの方、この場を借りて心から感謝申し上げます。

そういえば、昔、学校で「我々は食べるために生きるのではない、生きるために食べるのだ We eat to live, not to live to eat」というようなことを聞いたような気がします。しかし、この見本市を見る限りフランス人は絶対に、間違いなく WE LIVE TO EAT! でしょう。そして、かくいう私も。それではみなさん、Bon appétit!